VC投資家が見る!医療ベンチャー成功のチーム構成とは?
医療系スタートアップにおける最大の成功要因は、技術や資金ではなく「チーム」です。再生医療・細胞治療、創薬、診断技術、ヘルステックといった先端医療分野では、薬事・研究・臨床・事業の全領域を横断する多職種チームが必要です。GFファンドは、医療ベンチャー投資に特化したVCとして、数多くの成功と失敗の分岐点を見てきました。本稿では、成功するチーム構成とその背景を紐解きます。
「技術だけでは足りない」現実
多くのバイオベンチャーは、革新的な技術を持っていても、承認取得・商業化までたどり着けません。その理由の一つが、チームに事業・薬事・資本政策の専門性が欠けているためです。研究者だけのチームではPMDA(医薬品医療機器総合機構)との交渉や資金調達が困難になります。
成功の鍵は「三位一体チーム」
- CEO:ビジネス戦略・資金調達・外部パートナーとの連携を担うリーダー。非医療業界出身でも構いませんが、医療業界への理解と共感力が必須です。
- CSO:Chief Scientific Officer。研究開発の方向性を示す技術責任者。アカデミア出身者が多く、知財・学会・基礎研究の面を支えます。
- CMO:Chief Medical Officer。医師免許を持ち、臨床試験や薬事規制を熟知した医療実務の要。治験計画書(プロトコル)を現場目線で設計できる存在です。
この三者が揃って機能しているチームは、PMDA対応から資金調達・出口戦略まで一貫して強く、海外VCやCVCからも高く評価されます。
GFファンドが支援する「チーム形成」
GFファンドでは、資金支援だけでなく、組成直後のチームビルディングにも深く関与します。過去には以下のような支援を行ってきました:
- 再生医療ベンチャーに対し、PMDA治験経験のある医師をCMOとして紹介
- シード期にIR経験豊富なCFO候補を仮参画させ、シリーズAを成功に導く
- 研究者と経営者の間に立ち、経営視点での技術翻訳を支援
理想的なチーム構成の事例
ある細胞治療ベンチャーでは、東京大学出身の幹細胞研究者をCSOに、元製薬会社の薬事部長をCMOに、そして海外MBA経験者をCEOに据えることで、日米での資金調達を実現し、治験も国内外同時進行で成功させています。
「人材が集まる」仕組み作りも重要
良い人材は「良い人材の元に集まる」という法則があります。スタートアップの初期においては、エクイティで報いる形が多く、報酬で優秀人材を引き込むのは難しい。そのためには、「この経営者となら社会的意義のあることができる」と感じさせるリーダー像が重要です。
まとめ:人材の質が未来を変える
技術は真似されますが、チームの文化・信頼・共感は真似できません。だからこそ、スタートアップの初期段階で「誰と挑戦するか」が最重要です。GFファンドは投資家として、そして経営支援者として、医療の未来を担うチームづくりをこれからもサポートしていきます。